屋根や外壁の塗り替えは家の寿命を左右する大切なリフォームのひとつです。しかし、いざ塗り替えるとなると、どの塗料を選んでいいのか迷っていまいますね。塗料の耐久性や特徴を知っておくと選びやすくなります。
使われる樹脂により耐久性が異なります
塗料には主に顔料・添加剤・合成樹脂からできています。中でも合成樹脂は塗料の耐久性を決める最も重要なもの。その合成樹脂は大きく5つの種類に分けられます。耐久性の低いものから「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機系」です。一般的に耐久性が高くなるほど価格も上がります。
昔は良く使われていたアクリル塗料
アクリル塗料は30年ほど前まで主流で使われていた塗料です。価格が安いメリットはありますが、耐久性が低いため最近ではほとんど使われなくなっています。数年ごとに塗り替える住宅には使用するケースもあります。
部分的な使用が多いウレタン塗料
外壁や屋根ではあまり使われなくなったウレタン塗料。紫外線や湿度に弱く汚れやすいといった欠点があります。しかし塗膜が柔らかくひび割れしにくいといった利点もあります。そのため木部や雨どいなどの付帯部の塗料に使用されています。
一番多く使われているシリコン塗料
現在最も普及しているのがシリコン塗料です。価格と性能のバランスがよく、耐久性が高く、戸建て住宅の塗り替えの7~8割を占めています。汚れやひび割れに強く、防カビ性、防藻性にも優れています。
耐久性が最も高いフッ素塗料
フッ素塗料は、有名な建築物や高層ビルにも使われているほど耐久性がとても高い塗料です。防カビ性・防藻性もちろん外壁などの素材に強く密着する性質を持ち、太陽光や紫外線などの熱から住宅を守ります。価格が高いため一般住宅ではあまり普及していませんが、塗り替えの回数をできるだけ少なくしたい場合にはお勧めの塗料といえるでしょう。
長期にわたり美装性を維持できる無機系塗料
無機系塗料とは、有機樹脂(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素など人工的につくられた樹脂)がメインではなく鉱物(セラミック・ガラス・タイルなど)を主成分としている塗料のことをいいます。主成分である無機成分は紫外線に強いため変色しにくく、親水性が非常に高く汚れが表面に付着しても雨などで洗い流す事ができます。撥水性も高いのでクリーンな外壁を20年以上維持できる優秀な塗料です。しかし、無機系塗料は堅い塗膜となりますのでひび割れしやすい傾向にあることと、価格が高いといったデメリットがあります。